Column
「高気密高断熱住宅が寒くて悩んでいる」
「寒いトイレの対策が知りたい」
このようにお考えの方も多いと思います。
今回は、高気密高断熱住宅にお住まいの方へ、寒いトイレの対策を紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
「高気密」な住宅とは、気密性を高めるために隙間をつくらないように建てられた住宅です。
「高断熱」な住宅とは、断熱性能を高めた住宅のことです。
高気密高断熱住宅は、この両方の性能を持っている住宅のことをいいます。
気密性や断熱性は、数値で確認できます。
気密性には、「C値」という指標が用いられます。
これは、家にどれだけ隙間がいているかを表しており、C値が低いほど、隙間が少なく高気密な住宅であるといえます。
断熱性には、「Ua値」という指標が用いられます。
別名、外皮平均熱貫流率ともいいます。
これは、家の中から外へ、どれだけ熱が逃げやすいかを示しており、数値が低いほど熱が外へ逃げにくく、断熱性能が高いことを表しています。
Ua値は、高断熱を示す基準が存在します。
地域によって異なりますが、例えば福岡県では、Ua値が0.87以下の場合に高断熱と言えます。
日本で最も寒い北海道では、Ua値が0.46以下の場合に高断熱な住宅といえます。
トイレは他の水回りと同様に配管が多く、隙間ができやすい空間です。
さらに、家の北側に作られることが多いので、リビングのような居室と比較して寒くなってしまう傾向があります。
また、トイレは部屋の大きさに対して、巾木(はばき)が多い場所でもあります。
巾木は、天井と壁、壁と床の構成材の間にあり、この構成材は断熱気密材の境目になっていることが多いです。
そのため、断熱気密欠損が起きやすいです。
トイレは四方を巾木に囲まれているので、全ての箇所で断熱気密欠損が発生してしまうと、膨大な量の隙間風が吹き込んでしまいます。
そのため、住宅の中でも寒くなりやすい場所なのです。
住宅のトイレは、外壁面に設置した間取りが多いです。
屋外の冷たい空気に冷やされるので、寒さを防ぐために外壁面には断熱材が入っています。しかし、完璧に断熱することは難しく、どうしても壁から熱が逃げてしまったり、外の冷たい空気の影響を受けたりすることがあります。
そのため、寒いトイレの間取りを考えるときは、外壁面と接しないよう、あえて間仕切り板に囲まれた間取りにしてみると良いでしょう。
外壁面の壁と床のつなぎ目からは外気が流入しやすく、寒さの原因になりやすいです。
外壁面からトイレを離した間取りにすることで解決できます。
水回りの配管の関係上、トイレと浴室が近い間取りになっているケースもあります。
浴室とトイレの間の空間には、断熱材が含まれていないこともあります。
そして、トイレの壁の外側は床下とつながっているので、外気の影響を大きく受けることになります。
断熱材がない家の構造で、トイレの壁が外気と接しているので、当然寒くなりますよね。
対策としては、家を建てる際に断熱材を施工したり、床下の空気が上ってこないように気流止めを施工したりすると良いです。
外壁面にトイレを設置する場合、トイレに窓を設置している方もいらっしゃるでしょう。
臭い対策や換気対策、採光対策などさまざまな理由がありますが、窓は断熱の面では大きな弱点になってしまいます。
壁と比較して、熱が逃げやすく、壁の断熱性能の1/5程度しかありません。
トイレが寒いと感じている方は、窓を無くしてしまうのも1つの方法です。
マンションやアパートのトイレの多くに窓がついていないように、トイレに窓がついていなくても困ることは少ないでしょう。
デザインとして窓を設置していてトイレの寒さに悩んでいる方は、1度窓をなくしてみると良いでしょう。
外気の流入を減らすために、換気扇は高気密タイプのものを選びましょう。
トイレは狭い空間なので、空気の流れが滞りやすい場所でもあります。
このような狭い個室に冬の冷たい空気が流れ込むと当然寒くなりますし、寒い空気も出ていきにくいのです。
換気扇も、巾木と同じように隙間風の原因になってしまう部分です。
そのため、高気密タイプのものを選ぶことで、冷たい空気の流入を防げます。
高気密タイプの換気扇を取り付けることで、外気の流入を50%低減できることもわかっています。
換気扇は大きな部品ではないので、あまり考慮していなかったという方もいらっしゃるでしょう。
細かい部分まで検討することで、トイレが快適な空間に仕上がります。
今回は、高気密高断熱住宅にお住まいの方へ、寒いトイレの対策を紹介しました。
トイレの寒さで悩んでいる方は、間取りを変えたり、窓の設置をやめたり、換気扇を高気密タイプのものを選んだりすると、寒さが改善されることがあります。
ぜひ参考にしてみてください。
トイレの寒さで悩んでいてリフォームを検討している方は、ぜひ当社にお任せください。