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「高気密高断熱住宅は、気密性が高くて空気の出入りがしにくいから湿気が溜まってしまいそうだ」というイメージをお持ちの方はいらっしゃいませんか。
今回は、高気密高断熱住宅の湿度が高いのは本当なのか解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
高気密高断熱住宅では、確かに気密性が高いことで家中の隙間を通して室内の空気が勝手に入れ替わるということはありません。
そのため、湿気がたまりやすいというイメージにつながってしまうことは否定できません。
しかし、だからこそ気密性にこだわるハウスメーカーや工務店は、充分な機能を備えた優れた換気システムを導入しています。
また、換気口の位置にもこだわり、設計段階から空気が溜まりにくいようにしているのです。
気密性が向上するということは、計画的に行う換気の効率が上がるということです。
これを「計画換気」といい、空気を出したいところから出し、吸いたいところから吸うという換気方法です。
隙間が多い家に比べると、高気密な家は確実に住宅全体の空気を入れ替えられるので、湿気が排出しやすいとも言えるでしょう。
湿度をコントロールする際には、エアコンの冷房がアイドリング状態にならず、なるべくエアコンを動かし続けることが大切です。
そのため、エアコンの構造上、冷房などをつける際に風量を多くしてしまうと除湿があまり行われず、急激に設定温度が落ち、アイドリング状態になってしまいます。
このような状態では継続して除湿できません。
ドライモードなどで風量できる限り少なくすることで、除湿と室温上昇の両方を抑えられます。
上記のように、エアコンの風量を高めて除湿効果を上げ、エアコンを、アイドリング状態にしないことが湿度のコントロールには重要です。
しかし現実には理論通りにいかないことや、問題点もあります。
雨の日で会議の水分量がかなり多いと、24時間換気によってたくさん水分を含んだ空気が入ってきてしまって湿度が上昇するので、エアコンの除湿が追いつかないこともあります。
また、外気温が必要よりも低い時、室温がほとんど上昇しないので、エアコンが常にアイドリング状態になってしまうため、除湿されずに湿度が大幅に上昇してしまうということもあります。
このような問題が解決しない場合は、除湿性能の高いエアコンを導入するか、除湿機を導入することを検討しましょう。
導入コストや電気代が増加してしまうことは避けられないですが、上記の問題を気にせずに湿度がコントロール可能になります。
高気密高断熱住宅では、室内の湿気が高くなりやすい梅雨の期間でも湿度を抑えられます。
ここからは、雨が多い季節でも湿気が抑えられる理由について解説します。
エアコンは使いかた次第で除湿機よりもたくさん除湿ができ、除湿機よりも電気代を抑えられます。
エアコンで除湿する際に重要なのは、「24時間運転させる」ということです。
24時間連続して除湿することで、雨の多い梅雨の期間でも湿度を抑えられるのです。
高気密高断熱住宅は、高レベルな機密性を持っています。
例えば、優秀な気密性を持っている住宅の中には、C値と言われる気密性を表す数字が0.1程度の住宅もあります。
一般的な住宅では、このC値が1から2程度といわれているので、10倍から20倍気密性が高いということです。
そのため、外から湿気が流入しにくく、外気の影響を受けにくいのです。
エアコンで24時間除湿をしていても住宅に隙間が多ければ、せっかくの除湿が意味のないことになってしまいます。
湿気コントロールにおいては気密性の確保が重要なポイントです。
24時間換気の種類の中に、「全熱交換換気」というものがあります。
現在の新築の住宅には24時間換気装置を付けることが義務づけられており、全熱交換換気は24時間換気の中でも湿度コントロールの間がぐっと簡単な種類です。
この換気システムの特徴として、前列式の熱交換換気を使うことで、梅雨の期間のジメジメした外気を取り込む際に、特殊な素子をを介して屋内の乾燥した空気と混ぜ合わせることで、外気の湿気を約70パーセントカットできます。
「浴室の換気扇を回して空気を排出する」ということは、排出した分だけ家の隙間から湿度の高い外気を取り込んでしまうことになります。
そのため、浴室の換気扇をたくさん回して換気をするということは、湿度を防ぐという観点からは誤った選択なのです。
「高気密高断熱住宅で湿度が高い」というイメージは、誤りです。
確かに、気密性が高いことで空気の出入りがしにくいので、湿気が溜まりやすいことは事実です。
しかし、その分優れた換気機システムを導入しているので、住宅内に湿気が溜まりにくいよう設計段階から工夫しているのです。
雨の多い梅雨の時期でも、エアコンの除湿機能や全熱交換換気などによって、湿度の上昇を抑えられます。
高気密高断熱住宅を検討している方は、ぜひ当社にお任せください。