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2023.03.31住宅性能表示制度を活用しよう!メリットや住宅性能評価項目について紹介します!
住宅性能表示制度を活用しよう!メリットや住宅性能評価項目について紹介します!

家は人生の中でとても長い時間を過ごす空間なので、できるだけ安心できる空間にしたいですよね。

しかし、どのような基準で住宅を「安全」と評価すればよいのか、初めて家づくりをする方にとっては分かりにくい点もあるでしょう。

そこで今回は、住宅の性能を評価できる「住宅性能評価」について、メリットや評価項目の観点からご紹介します。

□住宅性能評価とは

住宅性能評価とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいて住宅の性能を客観的に評価したものです。

国が定めている評価基準の「日本住宅性能表示基準」に則って評価されるので、異なる建設会社や設計者が建てた住宅においても、同一の基準で性能を一律に評価できるようになっています。

十分な安全性が確保された住宅には、住宅性能評価書が交付されます。

これが交付された住宅は、安全に設計建設された住宅であるという証明になります。

すなわち、基準に達してない違法建築のような住宅には、この住宅性能評価書は公布されません。

□住宅性能表示制度のメリット・デメリット

*メリット

住宅性能表示制度は、住宅の性能を簡単に比較できるだけでなく、住宅ローンや地震保険などを利用するときにもメリットがあります。

例えば、地震保険の割引内容は耐震等級によって異なる場合があります。

十分な安全性が確保されている住宅では、大きな割引率を得られるでしょう。

耐震等級3に該当する住宅は、地震保険の割引率は50%が適用されます。

また、将来何らかの理由で住宅を売却することになった場合、住宅性能評価書を取得しているかいないかでは、大きな差が生まれます。

例えば、売主と買主の間に住宅性能評価書が交付された住宅に関する争いが発生した場合、専門の紛争機関が間に入って処理をしてくれます。

申請料の1万円を支払うことで、弁護士をはじめとした専門家の調停や仲裁を受けられるようになります。

万が一のトラブルに備えておくという面でも、住宅性能表示制度を利用しておくことをおすすめします。

*デメリット

住宅性能表示制度のデメリットは、等級が上がるとその分建築コストがかかってしまうという点です。

住宅性能表示制度を受ける際には、10万円から20万円ほどの費用がかかってしまいます。

全ての等級を最上級にしたからといって満足のいく暮らしが送れるとは限りません。

例えば、日当たりの良さを求めて、窓の大きさを大きくしてしまうと、耐震評価が下がってしまう可能性もあります。

このように間取りや周辺環境、ライフスタイルなど求める条件によって、どこにどれぐらいの等級レベルが必要なのかを判断する必要があります。

また、住宅性能評価書を取得したからといって、絶対に不具合が起きないということでもありません。

定期的なメンテナンスを行い、住宅に発生する不具合をしっかりとチェックしておきましょう。

□住宅性能表示制度で評価する項目

*新築の場合

新築の場合は、10個の項目に分けて評価されます。

具体的な評価基準は以下の通りです。

・構造の安定(耐震性)

地震や風、積雪などに対する建物の強度を評価します。

・劣化の軽減(耐久性)

柱や土台部分など構造部に使われる材料等に、劣化の進行を遅らせるための対策がどれほどされているかを評価します。

等級1から等級3までの指標で評価され、等級3については約70年から90年後まで構造部分の耐久性が確保されると想定されています。

・維持管理、更新への配慮

水道管や排水管、ガス管などの点検・清掃・修繕のしやすさを評価します。

・温熱環境、エネルギー消費量(省エネ性)

建物の外壁や窓の断熱性を評価します。

以上の長期の項目は必須項目と呼ばれ、必ず評価される項目ですが、これら以外にも6つの任意項目と呼ばれる選択式の評価項目があります。

・火災時の安心

火災時の安全を確保するために、火災が発生した際に早期発見しやすいかどうか、外部からの延焼や内部火災に建物がどれほどの時間耐えられるかを評価します。

・空気環境

室内への有害物質の発散や換気対策を評価します。

・光、視環境

室内の広さに対する窓の大きさから、室内の明るさを評価します。

・音環境

窓やドアなどの開口部からの遮音性能を評価します。

・高齢者への配慮

高齢者の生活を支えるために住宅のバリアフリー性能を評価します。

・防犯

建物内部への不法侵入を防ぐために、開口部に防犯対策がされているかを評価します。

*中古住宅の場合

住宅中古住宅においては、劣化状況や不具合の有無に関する「現況検査」が必須となっています。

また、上記に加えて特定の部分の腐朽や白蟻被害、雨漏りなどを検査する「特定現況検査」や、「個別性能評価」などがあります。

□まとめ

住宅性能評価とは、その住宅がどれほど安全性を確保できているかを証明してくれる重要な評価です。

国が定めている基準なので、異なる建設会社においても、住宅の性能を比較できる点が特徴です。

また、住宅間の性能を比較できるだけでなく、住宅ローンや地震保険などを利用する際にも役立ちます。