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2023.04.16住宅性能評価とは?メリットや評価項目についてわかりやすく解説します!
住宅性能評価とは?メリットや評価項目についてわかりやすく解説します!

住宅は、長い期間過ごす空間です。

そのため、できるだけ耐久性の高い家に住みたいですよね。

では、そのような住宅はどのように判断すればよいのでしょうか。

そこで今回は、住宅の性能を表す「住宅性能評価」について、メリットや評価項目の観点からわかりやすく解説します。

□住宅性能評価とは?わかりやすく解説!

住宅性能評価とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律が施行された際に開始した「住宅性能表示制度」の下で評価されるものです。

これは、耐震性や耐熱性、省エネ性などの住宅の性能を、第三者機関が客観的に評価し、その結果を共通のルールの下で表示するという制度です。

この評価結果は等級として数字で示されます。

例えば、「耐震等級3」や「省エネ等級2」になども住宅性能評価に則った評価の仕方です。

住宅性能評価には、設計段階で図面を基に評価する「設計性能評価」と、実際に建てられた住宅を検査して評価を行う「建設性能評価」の2種類があります。

□住宅性能表示制度のメリット

・性能が数値で表されるため比較しやすい

住宅性能評価書が交付された住宅を比較して購入を検討する場合、性能が数字で表されているので、専門知識がないという方でも建物の性能を簡単に比較できます。

・住宅ローンや地震保険が優遇される可能性がある

住宅性能評価書を取得している住宅は、住宅ローンの種類によっては金利の優遇が受けられるというメリットもあります。

さらに、記載されている耐震性能に応じて、火災保険に特約として付けられる、地震保険の割引を受けられる可能性もあります。

保険の割引率は評価された耐震性能等級によって定められています。

・トラブル時に専門機関が対応してくれる

設計と建設両方の住宅性能評価が交付されている住宅は、万が一トラブルが発生した際に、住宅の紛争を円滑に、そして迅速に処理するための専門機関に依頼することで、対応してもらえます。

・瑕疵のリスクを減らせる

住宅性能評価書を取得した住宅は、住宅の瑕疵に関するリスクを減らせます。

「瑕疵」とは住宅に対して初めから存在している何かしらの不具合のことです。

「品確法」という法律によって、すべての新築住宅は構造部分について、10年間の瑕疵担保が保証されています。

これに加え、住宅性能評価を取得している住宅は、より慎重に建設されるので、瑕疵の発生リスクが少なくなるのです。

・中古住宅でも売却しやすい

住宅性能評価書の交付を受けている住宅は、国が認めている、一定以上の水準を目指した住宅と認識されるということになります。

そのため、住宅性能評価書が交付されていない住宅と比較して、一定以上の性能が確保されているので、売却しやすいという傾向があります。

具体的に数値として性能が表されているので、信頼性が高く見えるため、買い手がつきやすいというのが理由です。

□住宅性能表示制度の評価項目

*新築の場合

新築の場合は10個の項目に分けて評価されます。

具体的な評価基準は以下の通りです。

・構造の安定(耐震性)

地震や風、積雪などに対する建物の強度を評価します。

住宅は柱、梁、壁、基礎などといった構造躯体で成り立っていて、その下を地盤が支えています。

構造の安定が、住宅の安定につながるのです。

・劣化の軽減(耐久性)

柱や土台部分など構造部に使われる材料等に、劣化の進行を遅らせるための対策がどれほどされているかを評価します。

住宅は、毎日雨風にさらされており、太陽光や湿気、シロアリなども劣化の大きな一因です。

最初は高い性能を保持していても、すぐに劣化してしまっては意味ないので、耐久性がどれくらい高いのかを示す指標が大切です。

等級1から等級3までの指標で評価され、等級3については、約70年から90年後まで構造部分の耐久性が確保されると想定されています。

・維持管理、更新への配慮

水道管や排水管、ガス管などの点検・清掃・修繕のしやすさを評価します。

・温熱環境、エネルギー消費量(省エネ性)

建物の外壁や窓の断熱性を評価します。

以上の長期の項目は必須項目と呼ばれ、必ず評価される項目ですが、これら以外にも6つの任意項目と呼ばれる選択式の評価項目があります。

・火災時の安心

火災時の安全を確保するために、火災が発生した際に早期発見しやすいかどうか、外部からの延焼や内部火災に建物がどれほどの時間耐えられるかを評価します。

・空気環境

室内への有害物質の発散や換気対策を評価します。

・光、視環境

室内の広さに対する窓の大きさから、室内の明るさを評価します。

・音環境

窓やドアなどの開口部からの遮音性能を評価します。

・高齢者への配慮

高齢者の生活を支えるために住宅のバリアフリー性能を評価します。

・防犯対策

建物内部への不法侵入を防止するために、開口部に防犯対策がされているかを評価します。

*中古住宅の場合

2002年8月から、中古住宅を対象にした住宅性能表示制度の基準が定められ、9項目で評価されるようになりました。

劣化状況などを目視で評価し、現状検査を行い、評価書(既存住宅性能評価書)が交付されます。

□まとめ

住宅性能評価とは、耐震性や耐熱性、省エネ性などの住宅の性能を、第三者機関によって客観的に評価してもらうものです。

これには、「数値化して表されるために他の住宅との性能を比較しやすい」「住宅ローンや地震保険が優遇される可能性がある」などのメリットが存在します。

新築住宅の場合は10項目、中古住宅の場合は9項目で評価されます。