Column
マイホームを検討中の方で高気密高断熱住宅の興味がある方はいらっしゃいますか。
高気密高断熱住宅を実現するためには、窓選びが重要です。
本記事では、高気密高断熱住宅での窓選びの必要性、高気密高断熱住宅のメリット・デメリット、高気密高断熱住宅である失敗例についてご紹介します。
高気密高断熱住宅では、天井や壁の断熱性だけでなく、窓断熱も重要です。
ここでは窓断熱の重要性についてご紹介します。
窓断熱が必要である理由は、ほとんどの暖かい空気は開口部から逃げていくためです。
日本建材住宅設備産業協会によると部屋の中にある約60パーセントが、窓などの開口部から外へ出ていきます。
天井は5パーセント、床は7パーセントで開口部と比べるとても低いため、窓断熱が住宅の断熱性に大きな影響を及ぼすことがわかります。
よって、選ぶ窓の種類によって性能が異なり、快適さにも違いがでます。
断熱性が低い開口部を採用すると、冬では暖かい空気、夏では冷たい空気が外に逃げてしまうため、部屋が冬では寒く、夏では暑くなり、1日中冷暖房を使わなければならなくなってしまいます。
このように窓断熱に関わる窓選びは高気密高断熱住宅においてとても重要です。
ここでは、高気密・高断熱のメリットとデメリットをご紹介します。
メリットを3つご紹介します。
1つ目は、1年を通して快適に過ごせることです。
高気密高断熱住宅は外の暑さや寒さなどの外気の影響を受けにくいことが特徴です。
そのため、室内の空気を均一に保ちやすく、冷暖房もかかりやすいため、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができ、季節を問わずに快適に暮らせます。
2つ目は、ヒートショックのリスクを軽減できることです。
ヒートショックとは住環境において急激な温度変化により血圧の急激な変化や脈拍の変動が起こる現象です。
東京都健康長寿医療センター研究所によると、2011年のヒートショックに関連した死者数は交通事故による死者数を上回ると報告されています。
高気密高断熱住宅は部屋全体が均一な温度になりやすく、部屋ごとの温度差が小さいため、ヒートショックのリスクの低減につながります。
3つ目は、光熱費が節約できることです。
高気密高断熱住宅は室内外の温度差を維持するだけでなく、室内の空気を漏れにくく屋外の空気を侵入しにくくするため、冷暖房の効率が上がり、光熱費を節約できます。
高気密高断熱住宅の性能は外皮平均熱貫流率と平均日射熱取得率の数値で表し、いずれも数値が低いほど住宅が快適であることを示しています。
デメリットを2つご紹介します。
1つ目は、建設費がかかることです。
高気密高断熱を実現するためには、断熱材や気密テープ、遮熱性の高い窓ガラスなど建築材やその他の設備が必要です。
そのため、坪単価は約3~5万円の施工費用がかかるといわれており、高気密高断熱ではない住宅に比べると建設費用は高くなってしまいます。
2つ目は、暖房器具に制限がかかることです。
高気密高断熱住宅は隙間が少ないため、燃焼に使った排気を室内に放出し、さらに一酸化炭素が発生する危険がある石油ストーブを使えません。
最後に、高気密高断熱住宅でよくある失敗ポイントを3つご紹介します。
高断熱を意識してよくある失敗が「窓」です。
熱は窓から多く出入りするため、窓が大きいほど熱の出入りが多くなります。
そのため断熱性を高めるためには窓を小さくしようとしますが、反対に窓が小さすぎて暗い印象の家になってしまうこともあります。
高気密高断熱は追求すればするほど、快適な住宅になります。
しかし、ここで気を付けてほしいのは、ある一定以上の性能にまで達すると体感では違いを感じられなくなるということです。
コストと効果のバランスを考え、高気密高断熱を追求することが目的にならないように注意しましょう。
寝室のベッドに近い窓が大きすぎたり、性能が悪いと睡眠に悪影響を及ぼす「コールドドラフト」が発生する可能性があります。
コールドドラフトとは、特に冬の時期に窓周辺の空気が冷やされ、冷やされた空気が窓の下から周囲へと広がる現象のことを言います。
就寝時間中に冷たい空気を感じやすくなってしまうコールドドラフトを防ぐために、寝室は空気の流れを考えて設計しましょう。
本記事では、高気密高断熱住宅の窓の必要性、高気密高断熱のメリット・デメリット、設計時の失敗例についてご紹介しました。
高気密高断熱住宅において窓はとても重要ですが、窓の断熱性を意識するあまりに本来の目的を忘れないようにしましょう。
当社では、お客様のニーズに合わせた住宅を提案しております。
高気密高断熱住宅を含め住宅についてご相談がある方は、お気軽にお問い合わせください。