コラム

Column

TOP > コラム > 高気密高断熱住宅は湿気が多くなってカビが発生しやすい?解説します!
2023.03.19高気密高断熱住宅は湿気が多くなってカビが発生しやすい?解説します!
高気密高断熱住宅は湿気が多くなってカビが発生しやすい?解説します!

住宅の湿気に悩んでいる方はいらっしゃいませんか。

高気密高断熱住宅は空気の出入りがしにくいから、湿気が多くなってカビが発生しやすくなると懸念している方もいらっしゃるでしょう。

今回は、高気密高断熱住宅は湿気が多くなってカビが発生しやすいのかどうか、解説します。

□高気密高断熱住宅で湿気は多くならない

住宅で湿気が多くなりやすい理由の一つに結露があります。

寒い時期になると、窓ガラスやサッシにたくさん水滴がついている光景を目にしたことがあるでしょう。

これが住宅における結露です。

結露の発生には気温の変化と空気中の水蒸気量が大きく関係しています。

外気で冷えた窓ガラスに室内の暖かい空気が触れる事で空気が冷やされ、水滴が発生するのです。

断熱性能の低い窓ガラスやサッシでは結露が発生しやすく、室内側にびっしりと水滴がつき、住宅内の湿気が多くなります。

高気密高断熱住宅では窓の断熱性能が高いので、結露が発生しにくく、結果として住宅の湿気も多くなりにくいのです。

□高気密高断熱住宅でカビが発生しやすいと言われる理由

まずはカビの発生しやすい条件について確認して行きましょう。

以下の条件に該当する場合には、カビが発生しやすいです。

・湿度80パーセント以上

・温度20度から30度

このように湿気が高い環境では、カビが活発に繁殖してしまいます。

80パーセント以下で全くカビが発生しないわけではなく、これより湿気が低い環境下でもカビが発生してしまう点には注意が必要です。

また、温度に関しては20度から30度の間で特に活発に繁殖します。

2つの条件がそろった時に、よりカビが発生しやすい環境になってしまいます。

1:カビの発生場所

高気密高断熱住宅でカビが発生しやすいといわれる場所に、グラスウールがあります。

グラスウールとは、断熱材の一種で、主に壁の中に充填施工して使われるものです。

昔の住宅ではよく断熱材としてグラスウールが使われていました。

このグラスウールにカビが発生しやすいと言われていることから、高気密高断熱住宅でカビが繁殖しやすいといわれているのです。

では、本当にグラスウールでは本当にカビが発生しやすいのでしょうか。

気密処理がしっかりしていない住宅や、袋に入ったままのグラスウールを隙間だらけの状態で押し込んでしまうと、壁の内部で温度差が生じ、それとともに空気の流れが発生します。

埃が空気によって流され、壁内にあるグラスウールに付着し、カビのように見えることがあります。

これが、グラスウールにカビが発生しやすいと言われている理由です。

そもそも、グラスウールはそもそもガラスでできているので、カビが繁殖するということはありません。

2:気密性の高さ

高気密高断熱住宅のカビが発生しやすいもう1つの理由として、気密性が高いがゆえに、「湿度の高い空気が喚起されず建物にとどまってしまう」ことで、カビが発生しやすいというイメージが強いのではないでしょうか。

結論から言うと、これは誤りです。

高気密高断熱住宅にはカビが発生しにくいシステムが取り入れられているので、一般的な住宅よりもカビが発生しにくいのです。

*高気密高断熱住宅でカビが発生しにくい理由

1つ目は、気密シートや防湿フィルムで壁内結露が防がれている点です。

昔の住宅は建物全体の気密処理がしっかりしておらず、断熱材自体の施工不良が原因で、壁内に湿気が入ってしまうことでカビが発生しやすくなっていました。

高気密高断熱住宅では、グラスウールを施行する際に気密シートが防湿フィルムを施工しているので、壁の中に湿気が入ることをしっかりと防いでいます。

2つ目は、計画換気がしやすい点です。

計画換気とは空気を吸いたいところから吸い、出したいところから出すという換気方法です。

ストローをイメージするとわかりやすいですが、ストローは穴のあいた部分からしか水分の出入りがないですよね。

計画換気もこれと同様に、空気を排出する場所を決めることで湿度をコントロールできるのです。

しっかりと気密工事をすることで、湿気が家の中に滞る心配をしなくても良くなります。

3つ目は、結露が発生しにくい点です。

多くの場合、カビの原因となるのは住宅内に発生する結露です。

高断熱住宅では断熱性能の高い窓ガラスとサッシを採用しているので、冬の寒い日でも外気の影響を受けることがあまりありません。

そのため、結露が起こりにくく、カビも発生しにくいのです。

□湿気の多い高気密高断熱住宅にしないために

高気密高南哲住宅かどうか確認する方法に「気密測定」があります。

検査で出た数値が小さければ小さいほど隙間のない高性能な住宅といえる指標です。

気密性能の低い家は、壁内に結露やカビが発生しやすいという欠陥を抱えています。

湿気の多い高気密高断熱住宅にしないためには、この気密測定を考えることも大切です。

□まとめ

高気密高断熱住宅では、実は湿気やカビは発生しにくく、快適に過ごすことができます。

高気密であるため、カビの発生しやすい湿度80パーセント以上という環境になりにくいことから、結露の発生を抑えられ、カビの繁殖も防げるのです。

湿気の多い高気密高断熱住宅にするためには、気密測定をすることも大切です。