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これから長い期間暮らすことになる家は、より安全で安心な住まいとして実現したいですよね。
安全で安心した住まいを実現するために活用できるのが、住宅性能評価書です。
住宅性能評価書を取得できれば、住宅ローンや地震保険等においても優遇を受けられるといったメリットがありますし、その他にも様々なメリットがあります。
そこで今回は、住宅性能評価書の取得の流れやメリットをご紹介します。
住宅性能評価とは、「品確法」と呼ばれる法律に基づくものであり、住宅性能表示制度とも呼ばれています。
これは、2000年に運用が開始されました。
住宅の具体的な評価は、評価方法基準に沿って行われ、担当するのは国に登録された第三者機関です。
評価結果は、住宅性能評価書として交付されます。
そのため、購入したい物件の品質や、いくつかの物件で迷っていて比較する時の客観的なデータとして使えます。
一方で、この制度の利用は強制ではなく任意です。
住宅を購入する人の意思によるものなので、必ずしも評価を受ける必要はありません。
また、住宅性能評価書には、設計段階の図面を確認して交付される設計住宅性能評価書と、施工時や完成時に確認される建設住宅性能評価書の2つがあります。
ここからは、住宅性能評価書取得までの流れ、取得にかかる費用相場などを具体的に紹介していきます。
先ほども申し上げたように、住宅性能評価書には、設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書の2つがあります。
新築住宅の場合は、設計時・建設時・完成時の各場面で評価が行われます。
また、建設時の検査は原則4回行われます。
まず、施主や建築会社などが住宅性能評価の申請を行います。
申請が通れば、国から登録された第三者機関によって、設計図書等から住宅性能の評価が行われます。
その後、評価結果が設計住宅性能評価書として交付され、手元に届きます。
まず、設計住宅性能評価書と同様、施主や建築会社が申請を行います。
申請が通れば、第三者機関が、施工が図面通りに実施されているかの評価を行います。
また、評価を行う時は、4回の現場検査があります。
1回目が基礎配筋工事完了時、2回目が躯体工事完了時、3回目が内装下地張りの直前、4回目が竣工時となります。
この4回の検査が完了すると、後日建設住宅性能評価書が交付されます。
上記が住宅性能評価書を取得する流れになります。
建設時の検査は施主が立ち会えますが、専門的な検査で現場に立ち会っても分からないことも多いので、必ずしも立ち会う必要はありません。
また、建設住宅性能評価書は取得せず、設計住宅性能評価書のみを取得する場合は、着工後の検査は行われませんので、注意しましょう。
住宅性能評価書の交付には費用がかかります。
設計住宅性能評価書のみを取得する場合は10万円前後、建設住宅性能評価書も一緒に取得する場合は20万円前後の費用が必要です。
1つ目に、住宅ローン・地震保険などにおいて優遇を受けられます。
例えば、住宅ローンにおいては、一定期間の金利が下げられる「フラット35」の金利優遇プランが利用できます。
また、地震保険においては、耐震等級3であれば50%、耐震等級2であれば30%、耐震等級1であれば10%割引されます。
2つ目に、資産価値が高くなります。
住宅性能評価書は、国から「一定の基準を満たした質の良い住宅」であると認められた証明になるので、住宅の資産価値の向上にもつながるのです。
また、性能が優れているだけでなく、劣化のしにくさの証明にもなります。
そのため、住宅を売却する時にも通常よりも高い金額で売却できる可能性が高くなります。
3つ目に、トラブルが起きた時に、紛争処理機関を利用できます。
万が一、買主や建築会社との間でトラブルが起きた時に、紛争処理機関に紛争処理の申請が可能になります。
先ほども紹介したように、住宅性能評価書を取得するためには、10万円から20万円の費用がかかります。
ただでさえ質の高い住宅を建てる時点でお金がかかるので、このような追加費用をデメリットに感じることもあると思います。
しかし、必須項目だけの評価であれば大幅なコストアップにはつながりません。
かかる金額に不安がある場合は、設計会社や建築会社に一度相談しましょう。
住宅性能評価書を取得するデメリットは、10万円から20万円の費用がかかる点です。
一方で、住宅性能評価書を取得するメリットは、住宅ローンや地震保険などにおいて優遇を受けられるという点、住宅の資産価値が高くなる点、トラブルが起きた時に紛争処理機関を利用できる点です。
このように、住宅性能評価書を取得できれば、金銭面においても優遇を受けられるので、デメリットをそこまで意識する必要がないかもしれません。
もし不安な方は、一度設計会社や建築会社に相談してみましょう。