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高気密高断熱の住宅を検討中の方はいらっしゃいますか。
高気密高断熱の住宅は年中快適に過ごせます。
一方で気密性が高いことにより、息苦しくなるのではないかなどの意見もあります。
本記事では、高気密高断熱住宅は息苦しいのか、メリット、換気のポイントについて解説いたします。
高気密である住宅は、隙間が少なく空気の出入りが抑えられることがメリットです。
一方で、新鮮な空気を家の中に取り入れられないため、換気を忘れると窒息してしまうのではないかという意見があります。
そこで気密性を測る基準として、住宅全体の隙間面積を延床面積で割った相当隙間面積を表す「C値」というものがあります。
実際は、高気密物件であるマンションはC値が1平方メートルあたり1.0平方センチメートル以下のところが多く、新築ではC値0.5平方センチメートル以下のような物件であっても、マンションで息苦しいや窒息しそうなどの声はありません。
高気密住宅は完全密閉ではなく、戸建てでもマンションでも24時間換気の設置は義務付けられているため、窒息することはないのです。
高気密高断熱住宅のメリットを5つご紹介いたします。
1つ目は、夏も冬も快適に過ごすせることです。
高気密高断熱住宅は外の暑さや寒さなどの外気の影響を受けにくいことが特徴です。
そのため、室内の空気を均一に保ちやすく、冷暖房もかかりやすいため、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができ、季節を問わずに快適に暮らせます。
2つ目は、冷暖房費を節約できることです。
高気密高断熱住宅は室内外の温度差を維持するだけでなく、室内の空気を漏れにくく屋外の空気を侵入しにくくするため、冷暖房の効率が上がり、光熱費が節約できます。
冷暖房の使用が少なくても良いため、電気の使用量が減り、環境にも良い効果があります。
3つ目は、ヒートショックのリスクが減少することです。
ヒートショックとは住環境において急激な温度変化により血圧の急激な変化や脈拍の変動が起こる現象です。
東京都健康長寿医療センター研究所によると、2011年のヒートショックに関連した死者数は交通事故による死者数を上回ると報告されています。
高断熱高気密住宅では部屋全体が均一に暖められるため、ヒートショックの原因となる急激な温度差がないためリスク軽減につながるのです。
また、高断熱住宅に引っ越したことによる室温上昇が睡眠効率の増加につながったという調査結果が報告されており、リスク軽減だけでなく、健康の向上にもつながります。
4つ目は、効率よく換気できることです。
窓を開けなくても空気を入れ替えられる「24時間換気システム」の設置が2003年の建築基準法の改正により義務付けられました。
これを導入するためには家の気密性の高さが重要となります。
隙間を無くし、無駄な漏気を防ぐことで、常にきれいな空気を取り入れられます。
5つ目は、防音効果が高いことです。
高気密高断熱住宅は、隙間が少ないため、隙間から音が漏れず、さらに断熱材も音を吸収してくれるため、遮音性に優れています。
中からの音漏れや外からの騒音なども小さくなります。
例えば、家に赤ちゃんなどの小さい子供や犬などのペットがいる場合、車の往来が多い場所にある場合でも音を気にすることなく快適に過ごせるのです。
6つ目は、住宅が長持ちしやすいことです。
結露は、放置しておくと家の内部にカビが生えて木材が腐ってしまうため、家の耐久性が低くなる原因になります。
また、カビはダニの繁殖にもつながりアレルギーやアトピー、シックハウス症候群といった健康被害のリスクの増加にもつながります。
高気密高断熱住宅は気密性・断熱性が高いため、建物内部の結露を防ぎ、このような耐久性低下と健康被害のリスクを下げられるのです。
高気密住宅でよりキレイな空間を作るための気をつけるべき換気のポイントをご紹介します。
排気口とは部屋の汚れた空気を室外に排出するための出口であり、吸気口とは屋外の新鮮な空気を室内に取り込むための入り口です。
高気密高断熱住宅の換気効率を上げるためには、吸気口と排気口の位置を離れた場所に配置する必要があります。
もし、この両者が近い位置に存在すると屋外から取り入れた新鮮な空気をすぐに廃棄してしまいます。
よって、排気口の近くの空気はきれいですが、排気口から離れている場所は空気が汚くなってしまうのです。
部屋の空気の汚れ具合は部屋によって異なるため、部屋に応じた性能の換気システムを取り入れることが大切です。
空気が汚れやすい部屋としては主に、トイレ、お風呂、キッチン、人が集まりやすい場所、部屋が狭い場所などがあります。
本記事では、高気密高断熱住宅の気密性、メリット、換気のポイントについてご紹介しました。
吸気口と排気口の位置をよく考えて、きれいな空間を作りましょう。
当社は、お客様のニーズに合わせた住宅を提案いたします。
高気密高断熱住宅を含め住宅についてご相談がある方はお気軽にお問い合わせください。